村尾在宅クリニック

TOPICS

5~11歳小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方

2022.02.26

感染状況とワクチンに関する知見

・国内における5~11歳の新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)症例の大多数は軽症ですが、感染率が同年代人口の1~2%にとどまるなかでも、酸素投与などを必要とする中等症例は散発的に報告されています

・今後、全年齢において感染者数が増加した場合には、ワクチン未接種の小児が占める割合が増加し、小児の中等症や重症例が増えることが予想されます

・国内で5~11歳を対象とする接種への承認申請が出されているワクチンは、現時点ではファイザー社製のみです。同ワクチンは従来のワクチンと比べ含有されるmRNA量が1/3の製剤です。海外では、5~11歳の小児に対する同ワクチンの発症予防効果が90%以上と報告されています

・新しい変異ウイルス(オミクロン株など)への有効性を示すデータは十分に得られていません。

・米国では、2021年11月3日~12月19日までに5~11歳の小児に約870万回のファイザー社製ワクチンが接種され、42,504人が自発的な健康状況調査(v-safe)に登録されました。2回接種後、局所反応が57.5%、全身反応が40.9%に認められ、発熱は1回目接種後7.9%、2回目接種後13.4%に認められました

・5~11歳の小児では16~25歳の人と比べて一般的に接種後の副反応症状の出現頻度は低かったと報告されています

小児ワクチン接種の考え方

・基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、COVID-19の重症化を防ぐことが期待されます。

・5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義があるとデータが出ています

・健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(発症予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。

大牟田の小児コロナの現状

連日、40名から80名程度の方が、大牟田からコロナ患者が出ている状況です(2022年2月現在)

そのうち、10歳未満の割合は5~15%前後と、他の年齢層より若干高い日もあります。

小児の場合、マスクを嫌がったり、友達と大声で話したり、感染に対して正しく行動できる小児は少ないと思いますし、それでよいと思います。

天秤にかけるとすれば

利点①小児がワクチンを打つことで、コロナ感染のリスクが下がり、重症化リスクも減少する事。

利点②また、小児が感染しにくいので、その家庭内での感染も守られる可能性が上がる事(休めない仕事など、大人の事情)

これと

欠点①2回接種後、局所反応(肩が痛いなど)が57.5%、全身反応(発熱、だるさなど)が40.9%に認められた。発熱は1回目接種後7.9%、2回目接種後13.4%に認められました。という副反応に対して、子供が可哀そうと思う感情

これが天秤になるかと思います。

お子様が通っている学校や塾での感染リスクを考えて、お子様としっかり話し合って決めていただければと思います。

上記のように、この問題については、『明確な答えがない』というのが現状です。各医療学会についても、65歳以上については積極的に勧めていますが、それ以外の健康な方については、義務でなく、ただの権利である(国は、国がお金を払ってタダのワクチンを大量に仕入れており、打つ打たないは個人に任せています。)というのが現状です。

当院の小児ワクチンの接種状況

現在、大牟田では7つのクリニックで接種が可能です(詳細は大牟田市ホームページ)

当院も、30名程度になりますが、日曜日に予定しております。

ファイザー製、モデルナ製、小児用ファイザー製と時間帯で分けていますので、予約されたお時間に来ていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

SHARE

RECENT POST