皆さんは「2035年問題」をご存じでしょうか。現在の高齢化社会の次に日本が直面するのが、「多死社会」と呼ばれる深刻な社会課題です。医学界では以前から指摘されていますが、今後日本では年間の死亡者数が急速に増加し、2040年前後にピークを迎えると予測されています。具体的には、現在およそ年間150万人の死亡者数が、2035年頃には160万〜170万人に達すると見込まれています。

この多死社会では、医療・介護・葬儀・埋葬・グリーフケアといった幅広い分野で社会全体の支えが必要となり、地域の課題としても無視できない現実が迫っています。

この問題に真っ向から立ち向かうため、当院では緩和医療に力を入れています。
そして、この度「村尾ホスピス スリジエ」の新設により、地域のみなさまの最期まで自分らしく過ごせる環境づくりに取り組んでいきます。2026年4月からホスピス運営を開始予定であり、先日の6月30日には地鎮祭を終え、7月から着工しております。来春には新たな仲間（看護師・介護士）が加わり、地域の終末期医療を支える体制が一層強化されます。

これからも私たちは、患者さんとそのご家族に寄り添い、安心して最期を迎えられる医療・介護の形を地域の中で築いてまいります。